寒暖がくり返され、近づく春の気配を感じる今日の佳き日に、ご来賓並びに保護者の皆様のご臨席を賜り、その祝福を受けて北海道旭川東高等学校・全日制課程・第58回卒業証書授与式を挙行できますことを、先ずもって厚くお礼申し上げます。
さて、ただいま 278名の生徒諸君に卒業証書を授与いたしました。本校における3年間の努力が実り、卒業証書を手にした今、喜びも一入でありましょう。希望と不安を胸に入学した3年前。皆さんが入学前に描いていた「いつも勉強ばかり」という東高の進学校のイメージと、実際の校風は違っていたのではないかと想像しています。本校は、勉強はもちろん、部活や行事にも大変活発に取り組む高校です。
東高生の特徴の一つは「やるときはやる」ことで、何事にもケジメをつけるのが大変上手です。勉強するときはとことん勉強し、楽しむときには思い切り楽しみます。これは東高の伝統と特色になっています。そして、皆さんは勉学やスポーツにたゆまぬ努力を続けまた教育活動を通して、先生方や友人との間に素晴らしい人間関係を築きあげ、自分を一段と成長させたことに対し、心より敬意を表したいと思います。
卒業にあたり、私は皆さんに二つお話ししたいと思います。
一つは「出会いを大切にしよう」ということです。皆さんはこれから、様々な進路先に進むでしょう。そこでは、新たな人との交流が始まり、中には一生涯の親友や、尊敬できる恩師や先輩がいるかもしれません。反対に、馴染めない人がいることもあります。
ここで私が、皆さんに強調したいのは、この「新しい出会いを大切にしよう」ということです。人の成長過程では、必ず先生・先輩・友人等のお世話になります。しかし、それらの人達を自分で選ぶことはできず、皆、偶然に遭遇するのです。したがって、これからめぐり合う人達の中には、自分にとってかけがえのない人がいる可能性があります。
そう考えると、皆さんには、これからの人生がどうなるかの未知なる可能性が秘められているのです。また、好き嫌いに関わらず、誰とでも交流し、何かを吸収していただきたいと思います。そうすることは自分を高めることになるのです。
二つ目は、今日のような時代に生きる皆さんに、コミュニケーションについて、私の考えの一端を述べておきたいと思います。それは「議論の場面では自己の考えを述べる表現力が求められますが、一方、聞く能力も大切だ」ということです。社会は、何をやるにしても、自分一人では出来ない仕組みになっていて、どうしても他の協力が必要なことを痛感させられます。 人間関係は会話をすること、すなわちコミュニケーションによって成り立っています。でも会話とは、一方的に喋ることと錯覚してはいけません。話す場面と聞く場面が半々のとき、会話の成立には最も好ましいといわれています。ですから、話す能力も必要ですが聞く能力も大切なのです。場合によっては、聞く能力の方が、話す能力より重要なことさえあります。
さらに、話に耳を傾けてくれる人には、人が寄ってきます。そうなれば、より多くの人と交流ができ、その結果、新しい情報を得て賢くなれるのです。これは聞くことの効用でしょう。 次に、本校生の努力の原動力となる学校標語に「シマレ・ガンバレ」があります。 これは「何事に対しても妥協することなくベストを尽くす精神」を意味します。本校では、この精神のもと、一貫して「文武両道」の校風で教育活動を展開してきました。ですから、皆さんは、卒業してもこの精神を忘れずに果敢に人生にチャレンジしてほしいと思います。
さて、卒業生の皆さんの、この1年間、学業・部活動・生徒会活動・学校祭等での活躍は、リーダーとして上級生として素晴らしいものでした。皆さん一人一人が、楽しい思い出を後輩にたくさん残してくれたことに対して、改めて「ありがとう」と申し上げます。
また、校舎内外で元気に挨拶してくれた皆さん。その明るく溌剌とした声を聞くと、忙しさや疲れなども消えてしまい、とてもうれしかったことを忘れません。挨拶は「心の扉を開く鍵」と言いますが、何気ない挨拶が、本当に人の心を開き人間の交流をスムーズにしてくれます。ですから、これからも挨拶する姿勢を持ちつづけてください。
最後になりましたが、十代後半という人生の中で最も心が揺れ動く時期にもかかわらず、希望進路達成を目指して日夜勉学に励んできたお子様を、暖かく見守り励ましてこられた保護者の皆様に、心から敬意を表する次第であります。また3年間、本校の教育活動に深いご理解とご支援をいただきましたことに対し深く感謝申し上げます。
それでは、卒業生の皆さん「ごきげんよう」。本校教職員が心の底から声援を送っていることを申し添えて式辞といたします。
平成20年3月1日
北海道旭川東高等学校長 富 樫 一 憲